2024.10.7
こんにちは、ながおです。
2年半ほど前に上演を行った『すいかの種の黒黒』を、
う潮として新たに上演してみようと思います。
この作品は、大学2年生の時に私が初めて書いた長編戯曲です。
この作品を上演した時に頂いた言葉の数々が、その後も演劇を続けるにあたって私を後押ししてくれているような、そんな気がします。いわば原点なのです。
きっと、脚本も演出も大幅にアップデートされると思います。
ぜひ、気にかけていただけたら嬉しいです。
う潮 次回公演『すいかの種の黒黒』
作・演出 ながおあいり
2025年初春、都内劇場にて上演予定
2024.9.5
う潮主宰のながおあいりと申します。
1年ぶりの新作公演をやります。う潮としては2回目の公演です。
この1年間は演劇をやっている自分自身のことや将来のことを絶えず問われ、
選択を迫られた時期でした。
そんな中で、演劇を作りたくてたまらないような、
だけどやっぱり演劇を作りたくないような、
シーソーみたいに気持ちが揺さぶられる毎日を過ごしてきました。
演劇における私自身の興味関心は、自分の半径1ートル以内の関係性を描くことだと思ってきました。
それは、いくらフィクションで大きな主題を描いても、そこに出てくる一人一人の人物には私たちと同様に「暮らし」があって、
様々な人と関わり合いながら生きていて、小さなことで躓いたり、周りの人と摩擦が生まれてしまったり。
そういうことは決して取るに足らない問題なんかじゃなくて、むしろ、私たちが生きる上では、社会という枠組みのことよりも、よっぽど大問題であるんじゃないか。
だから、「思い出や日常の中に埋もれている人と人との関わりを拾い上げ」て、観客誰もの人生に接続出来るような、そんな物語を紡ぎたいと思ってきました。
しかし、半年ほど前、突如、
「大きな世界と小さな世界は繋がっているんだ…!」
と、ブッダが悟りを開いたかの如く強烈な気づきを得た日があったのです。
その日私は家からほど近い図書館で、大学の期末試験最終日に向けて勉強をしていました。休憩がてらスマホを開くと、なんとちょうど岸田國士戯曲賞の最終候補作が発表されたところ。
そこにノミネートされていたとある劇作家。
何を隠そう、私は三日ほど前にその劇作家が主宰する劇団の作品を観て、「こんなクソみたいな現実にフィクションでどう立ち向かうか」という主題(少なくとも私はそう受け取った)を描いたその作品にいたく感銘を受けていたのです。
数か月間沈みっぱなしだった私の心は浮かび上がり、いやそれのみならず、作品から発された熱の塊をしかと受け取った私の心もビッカビカに燃え盛りだした矢先のこと。
私の心の救世主が、戯曲賞にノミネートされ、社会的にも(それは小さな社会であるかもしれないけど)、評価された。
その瞬間、「大きな世界と小さな世界は繋がっている」的な閃きがピカーンと私の頭の中を貫いたのです。
私たちは、取るに足らないことに悩みながら必死に生きている。
でもその背景にはいつだって、社会がある。私たちの取るに足らない悩みだってなんだって、この時代、この社会との関わりの中で生み出されるんだ。
私たちの半径1メートル以内の小さな世界と、政治やら経済やら国交やらを動かす大きな社会は、決して切り離されたものなんかじゃなくて、全て地続きにあって、全て接続している。
こう書いてみれば、これこそが取るに足らないというか、途端に当たり前で凡庸な気づきに思えてしまうけれど、その時の私にはこの事実が、この世の真理であるかのような輝きを持って降り注いできたのです。
この閃きは、「演劇なんかやって何になるんだろう」という厭世的な思いと戦い続けていた私に、新作を作らせるのに十分すぎるエネルギーを与えてくれました。
そんなこんなで構想し始めた本作、『疾走』。
少しでも気を抜いたら途端に崩れ落ちてしまいそうな、私自身の大事な思い出に踏み込んでいった作品です。
小さな世界と大きな世界が交差する中で、やっぱり「こんなことして何になる?」「何をしたって何にもならないし、どこにも行けないんじゃないか」という思いに打ちひしがれそうになりながら、それでもなおその無力感と戦う物語になりました。
「あなたの居場所にもなれなかった私たちは、この世界に対して何が出来るだろう」
そして、もう一つ。
本作を作るにあたっては今までとは異なる、新たな物語へのアプローチが必要になるんじゃないかと考え、その方法を模索してきました。いや、今だって模索している最中で、深い霧の中でそこにあるのかも分からない物を探り当てようとしているかのような感覚。
そうすることを選んだのは、「小さな世界と大きな世界は繋がって」いるのだし、それは観客みんなの人生にも繋がっているのだということを、しっかり届けきりたいと思っているからです。
なので私にとって本作は、「挑んだ」作品。しっかり口に出してそう言えるのは、久しぶりのことかもしれない。
今回もまた、心にざわざわと波が立つような作品になると思います。
作品のどこかに自分を見つけてくれたら、それほど嬉しいことはありません。
う潮主宰 ながおあいり
2024.6.30
う潮
『疾走』
脚本・演出 ながおあいり
「バンドを組んでいるんだ、すごくいいバンドなんだ。」
ステージに立つ私たちは、狭い体育館に熱狂の渦を作った。
音を重ねるその瞬間、私たちの4人の魂は確かに通じ合っていた。
と、思っていた。
文化祭での演奏を控える高校最後の年、ドラムの彼女は学校を辞めた。
彼女の孤独と息苦しさから目を背けた私たちの、バンドの音は鳴り止んだ。
あれから4年。遠くの国では戦争が起きている。
同窓会でのバンド演奏を依頼された私たちは、再び彼女に会いに行く。
あなたの居場所にもなれなかった私たちは、この世界に対して何が出来るだろうか。
【出演】
結木千尋
松﨑友利
古賀彩莉奈
松枝春衣
鬼頭すみれ
前田航斗
【日程】
9/27(金) 14:00/19:00
9/28(土) 14:00/19:00
9/29(日) 13:00/17:00
※受付開始・開場はともに開演の30分前を予定しております。
※開演時間を過ぎてからのご入場はお断りさせていただく場合がございます。お早めにご来場ください。
【会場】
スタジオ空洞
〒171-0014
東京都豊島区池袋3-60-5 B1F
JR線・東武線・西武線・東京メトロ各線
池袋駅 C6出口より徒歩8分
【料金】
一般:3000円
U-22:2500円
応援チケット(特典付き):5000円
※全席自由席となります。
【ご予約】
ushio-stage.com/reserve_02/
ご予約は各公演日の前日24時まで受け付けております。
当日券情報については各SNSにてお知らせいたします。
予約開始は7月上旬を予定しております。
【お問い合わせ】
メール: ushio.stage@gmail.com
【SNS・Web】
X:@ushio_stage
Instagram:@ushio_stage
Web:ushio-stage.com
【スタッフ】
舞台監督・舞台美術:蓮見勇太
音響:山中太郎
照明:鈴木俊輔
制作:関美穂
宣伝美術:黄木日菜子
🌀う潮とは…
ながおあいりによる演劇ユニット。
思い出や日常の中に埋もれている人と人との交わりを拾い上げ、ざわざわと感情に波を立てるような演劇作品づくりを目指す。
2023年に活動を開始。ながおはハイバイ作家部にも所属。
う潮
『疾走』
脚本・演出 ながおあいり
「バンドを組んでいるんだ、すごくいいバンドなんだ。」
ステージに立つ私たちは、狭い体育館に熱狂の渦を作った。
音を重ねるその瞬間、私たちの4人の魂は確かに通じ合っていた。
と、思っていた。
文化祭での演奏を控える高校最後の年、ドラムの彼女は学校を辞めた。
彼女の孤独と息苦しさから目を背けた私たちの、バンドの音は鳴り止んだ。
あれから4年。遠くの国では戦争が起きている。
同窓会でのバンド演奏を依頼された私たちは、再び彼女に会いに行く。
あなたの居場所にもなれなかった私たちは、この世界に対して何が出来るだろうか。
【出演】
結木千尋
松﨑友利
古賀彩莉奈
松枝春衣
鬼頭すみれ
前田航斗
【日程】
9/27(金) 14:00/19:00
9/28(土) 14:00/19:00
9/29(日) 13:00/17:00
※受付開始・開場はともに開演の30分前を予定しております。
※開演時間を過ぎてからのご入場はお断りさせていただく場合がございます。お早めにご来場ください。
【会場】
スタジオ空洞
〒171-0014
東京都豊島区池袋3-60-5 B1F
JR線・東武線・西武線・東京メトロ各線
池袋駅 C6出口より徒歩8分
【料金】
一般:3000円
U-22:2500円
応援チケット(特典付き):5000円
※全席自由席となります。
【ご予約】
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ご予約は各公演日の前日24時まで受け付けております。
当日券情報については各SNSにてお知らせいたします。
予約開始は7月上旬を予定しております。
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メール: ushio.stage@gmail.com
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Instagram:@ushio_stage
Web:ushio-stage.com
【スタッフ】
舞台監督・舞台美術:蓮見勇太
音響:山中太郎
照明:鈴木俊輔
制作:関美穂
宣伝美術:黄木日菜子
🌀う潮とは…
ながおあいりによる演劇ユニット。
思い出や日常の中に埋もれている人と人との交わりを拾い上げ、ざわざわと感情に波を立てるような演劇作品づくりを目指す。
2023年に活動を開始。ながおはハイバイ作家部にも所属。
う潮
『疾走』
脚本・演出 ながおあいり
「バンドを組んでいるんだ、すごくいいバンドなんだ。」
ステージに立つ私たちは、狭い体育館に熱狂の渦を作った。
音を重ねるその瞬間、私たちの4人の魂は確かに通じ合っていた。
と、思っていた。
文化祭での演奏を控える高校最後の年、ドラムの彼女は学校を辞めた。
彼女の孤独と息苦しさから目を背けた私たちの、バンドの音は鳴り止んだ。
あれから4年。遠くの国では戦争が起きている。
同窓会でのバンド演奏を依頼された私たちは、再び彼女に会いに行く。
あなたの居場所にもなれなかった私たちは、この世界に対して何が出来るだろうか。
【出演】
結木千尋
松﨑友利
古賀彩莉奈
松枝春衣
鬼頭すみれ
前田航斗
【日程】
9/27(金) 14:00/19:00
9/28(土) 14:00/19:00
9/29(日) 13:00/17:00
※受付開始・開場はともに開演の30分前を予定しております。
※開演時間を過ぎてからのご入場はお断りさせていただく場合がございます。
お早めにご来場ください。
【会場】
スタジオ空洞
〒171-0014
東京都豊島区池袋3-60-5 B1F
JR線・東武線・西武線・東京メトロ各線
池袋駅 C6出口より徒歩8分
【料金】
一般:3000円
U-22:2500円
応援チケット(特典付き):5000円
※全席自由席となります。
【ご予約】
ushio-stage.com/reserve_02/
ご予約は各公演日の前日24時まで受け付けております。
当日券情報については各SNSにてお知らせいたします。
予約開始は7月上旬を予定しております。
【お問い合わせ】
メール: ushio.stage@gmail.com
【SNS・Web】
X:@ushio_stage
Instagram:@ushio_stage
Web:ushio-stage.com
【スタッフ】
舞台監督・舞台美術:蓮見勇太
音響:山中太郎
照明:鈴木俊輔
制作:関美穂
宣伝美術:黄木日菜子
🌀う潮とは…
ながおあいりによる演劇ユニット。
思い出や日常の中に埋もれている人と人との交わりを拾い上げ、ざわざわと感情に波を立てるような演劇作品づくりを目指す。
2023年に活動を開始。ながおはハイバイ作家部にも所属。
2024.5.26
う潮
『疾走』
作・演出 ながおあいり
【日程】
2024/9/27(金) - 9/29(日)
【会場】
スタジオ空洞
JR線・東武線・西武線・東京メトロ各線
池袋駅西口より 徒歩7分
【お問い合わせ】
メール: ushio.stage@gmail.com
予約開始は7月上旬を予定しております。
続報をお楽しみに!
う潮
『疾走』
作・演出 ながおあいり
【日程】
2024/9/27(金) - 9/29(日)
【会場】
スタジオ空洞
JR線・東武線・西武線・東京メトロ各線
池袋駅西口より 徒歩7分
【お問い合わせ】
メール: ushio.stage@gmail.com
予約開始は7月上旬を予定しております。
続報をお楽しみに!
う潮
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【日程】
【お問い合わせ】
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【会場】
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予約開始は7月上旬を予定しております。
続報をお楽しみに!
2023.8.30
『ふうかちゃん』9/10(日)の16:00の回でのアフタートークの開催が決定しました!!!
劇団ハイバイ主宰の岩井秀人さまをゲストにお招きして、作・演出のながおあいりと、
作品についてなどお話させていただきます。トークは20分程度を予定しております。
※なお、これにより観劇回の振り替えを希望される方は、
ushio.stage@gmail.comまでご連絡ください。
【アフタートーク概要】
対象回:9月10日(日)16:00開演回
ゲスト:岩井秀人さん(ハイバイ)
【岩井秀人さんの略歴】
作家・演出家・俳優。2003年ハイバイ結成。
東京であり東京でない小金井の持つ「大衆の流行やムーブメントを憧れつつ引いて眺める目線」を武器に、家族、引きこもり、集団と個人、個人の自意識の渦、等々についての描写を続けている。
2012年NHK BSドラマ「生むと生まれるそれからのこと」で第30回向田邦子賞、2013年舞台「ある女」で第57回岸田國士戯曲賞受賞。
近年は、パルコ・プロデュース「世界は一人」の作・演出、NHK Eテレ「オドモTV」内『オドモのがたり』構成・出演等を務める。
近年は「いきなり本読み!」などプロデュース企画も積極的に行う一方で、ひきこもりや父親のDVなど岩井自身に起こってきたパーソナルの問題を題材にして劇作を続けてきた自身の作劇スタイルを発展させ、
“参加者自身に起きたひっでー話を書き、演劇化する“企画「ワレワレのモロモロ」を全国各地、世代を超えて継続的に開催している。
また、10代の4年間をひきこもって過ごした自身の経験をもとに、ひきこもりやDVなど社会問題に関する講演・メディア活動や、支援団体との協力なども精力的に行っている。
【岩井秀人さんの略歴】
作家・演出家・俳優。2003年ハイバイ結成。
東京であり東京でない小金井の持つ「大衆の流行やムーブメントを憧れつつ引いて眺める目線」を武器に、家族、引きこもり、集団と個人、個人の自意識の渦、等々についての描写を続けている。
2012年NHK BSドラマ「生むと生まれるそれからのこと」で第30回向田邦子賞、2013年舞台「ある女」で第57回岸田國士戯曲賞受賞。
近年は、パルコ・プロデュース「世界は一人」の作・演出、NHK Eテレ「オドモTV」内『オドモのがたり』構成・出演等を務める。
近年は「いきなり本読み!」などプロデュース企画も積極的に行う一方で、ひきこもりや父親のDVなど岩井自身に起こってきたパーソナルの問題を題材にして劇作を続けてきた自身の作劇スタイルを発展させ、
“参加者自身に起きたひっでー話を書き、演劇化する“企画「ワレワレのモロモロ」を全国各地、世代を超えて継続的に開催している。
また、10代の4年間をひきこもって過ごした自身の経験をもとに、ひきこもりやDVなど社会問題に関する講演・メディア活動や、支援団体との協力なども精力的に行っている。
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【岩井秀人さんの略歴】
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2023.8.16
初めまして。ながおあいりと申します。
東京に住んでいて、今は大学に通っています。
この度、「う潮」という演劇ユニットを立ち上げました。
わたし一人の演劇ユニットです。
立ち上げたばかりで、まだなんの武器も持っていません。
あるのは私の頭と身体のみ。
それでも、う潮をよりたくさんの人に知ってほしいと思い、
う潮の演劇がより広く遠くの人まで届いてほしいと思い、
う潮の発足および、『ふうかちゃん』という公演を行うにあたって、
私が考えてきたことを、徒然なるままに書いていきたいと思います。
私が演劇を始めたのは、
大学に入学して
「創像工房in front of.」という演劇サークルに入ってからでした。
大学2年のときに、「すいかの種の黒黒」という公演を行いました。
この作品は、小学校で仲の良かった幼馴染の女の子2人の、ある一点では交わっていた人生が、やがて交わらなくなっていくまでの20年を描いた物語でした。
この幼馴染2人は、私と、私の実際の幼馴染をベースにしたもので、
つまり、実体験をもとにしたお話でした。
私がなぜこういう物語を書いたかと言えば、それは私が、劇団ハイバイの岩井秀人さんに大きな影響を受けたからです。
岩井さんの演劇では、普段人間が生きていく中で抱く些細な違和感や醜い感情、人と人の間で起こる大小の摩擦が、喜劇的にも悲劇的にも描かれ、観終わったあとには人間と言う面倒くさい生き物がどうしようもなく愛おしくなります。
岩井さんの作品を観た後に世界を見渡してみれば、過去を振り返ってみれば、私の人生の中にも、そういった些細な違和感や醜い感情、そして人間同士の大小の摩擦がゴロゴロ転がっていました。
それが、私が自分の実体験をもとに演劇を作り始めたきっかけでした。
しかし、コロナ禍以降に演劇を始めた私は、初めて作・演出を務めたこの公演でも当然、コロナというリスクと隣り合わせ。
演劇をやらないということが一番のリスク回避であるこの時期に、私はどうして演劇をやるのか。そんな自問自答を繰り返しては、答えを出せぬまま、演劇に対する情熱と衝動で濃い霧の中を突き進んでいました。
公演期間中に、岩井秀人さんとお話しする機会がありました。
私の脚本を読んでくださった岩井さんは、こんなことを言いました。
「あいり氏は、演劇に立ち寄っているんだね。」
自分の人生を演劇にするということは、自分の「生」と向き合うということ。自分が辿ってきた道を振り返って、その道に残した後悔や割り切れない感情と再び向き合って、結果的にちょっとだけ前を向けるようになること。だから今、私は、「生」と向き合うという用事を果たすために、演劇に立ち寄っているところなんだ、と。
この言葉を聞いたとき、私はすごく納得すると同時に、自分が演劇をやることを肯定されたような気がしました。
普段人間が社会を生きていく中で抱く些細な違和感や醜い感情、人と人の間で起こる大小の摩擦。そういうひとつひとつのざらつきは私の人生に影響を与えてきたのだから、私はそのひとつひとつを見過ごさずに描きたい。そして、私が岩井さんの演劇を見て自分の「生」について考え始めたように、誰かが私の作った演劇を見て、「生」について考えるきっかけになったら嬉しい。
これが、私が演劇をやってきて、そしてこれからもやりたいと思っている理由です。
この言葉は今でも、私が演劇をやっていく上でのひとつの指針となっています。
そしてもう一つ。
私はつい最近まで、アメリカに1年ほど留学していました。留学先の大学では演劇を学びました。
アメリカでは、演劇という文化の位置づけは、日本とは全く違いました。
アメリカでは演劇というカルチャーはメインストリームにあって、社会の歪や、社会を生きる中でどこか生きづらさを抱えた人々を真っ向から描いた作品が大衆に受け入れられ、評価され、多くの人々に影響を与えています。
日本はなぜだかそうではありません。メインストリームカルチャーは社会の悪い部分から目を背けがちです。演劇という産業はあまりにも脆弱で、メインストリームからは程遠い場所で、限られた客に向かって細々とやっています。
それでも私は、日本に居ながら、演劇を通じて、社会を、そして社会の中にいる人間を描くことをやめてはいけないと思いました。それは、どこまでも大きな世界も、どこまでも小さな個人の感情も描きうる演劇が、誰かにとってものすごく意味のあるものになると信じているからです。
長々と書いてしまいましたが、これが私がう潮を発足するにあたって考えてきたことです。
これからどうなっていくかは分からないけど、演劇でどこまで遠くに行けるか、小舟だけどもまずは大海に乗り出してみよう、という私なりの覚悟です。
新しいことを始めるというのは、いつでも不安で心細いものです。それでも、同じくらい、ワクワクしています。
『ふうかちゃん』も、実体験をベースにしたお話です。
心にざわざわと波が立つような作品になると思います。
この演劇を観に来た誰かが、自分のこれまでの人生に思いを馳せてくれたならば、これ以上の喜びはありません。
まずはぜひ、劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。
う潮主宰
ながおあいり
2023.7.15
う潮
『ふうかちゃん』
脚本・演出 ながおあいり
かとうゆき、こばやしみつのり、わしみきょうすけ、さたけふうか…
さたけふうか。
あの子の名前を口にした瞬間、小学校でのあれこれが蘇ってきた。
あの子は、自分のことをちゃん付けで呼んだ。
あの子は、すぐに癇癪をおこした。
あの子は、遠足で先生と一緒に行動していた。
あの子は、出来ないことがみんなよりちょっとだけ多かった。
あの子は、たぶん、いじめられていた。
私も、「そっち側」にいたんだろうか。
あの子は今、どうしているんだろうか。
【出演】
豊崎菜月
矢吹彩香
安部弘輝
濱谷勝悟
【日程】
9/8(金) 14:00/18:00
9/9(土) 14:00/18:00
9/10(日) 12:00/16:00
※上演時間は100分前後を予定しております。
※受付開始、開場は開演の30分前を予定しております。
※開演時間を過ぎてからのご入場はお断りさせていただく場合がございます。お早めにご来場ください。
【会場】
サブテレニアン
173-0013東京都板橋区氷川町46-4 B1
東武東上線大山駅北口から徒歩7分
都営三田線板橋区役所前駅から徒歩3分
【料金】
一般3000円
学生2000円
【出演】
豊崎菜月
矢吹彩香
安部弘輝
濱谷勝悟
【日程】
9/8(金) 14:00/18:00
9/9(土) 14:00/18:00
9/10(日) 12:00/16:00
※上演時間は100分前後を予定しております。
※受付開始、開場は開演の30分前を予定しております。
※開演時間を過ぎてからのご入場はお断りさせていただく場合がございます。お早めにご来場ください。
【会場】
サブテレニアン
173-0013東京都板橋区氷川町46-4 B1
東武東上線大山駅北口から徒歩7分
都営三田線板橋区役所前駅から徒歩3分
【料金】
一般3000円
学生2000円
【出演】
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【会場】
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【日程】
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【料金】
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※上演時間は100分前後を予定しております。
※受付開始、開場は開演の30分前を予定しております。
※開演時間を過ぎてからのご入場はお断りさせていただく場合がございます。
お早めにご来場ください。
【ご予約】
https://www.quartet-online.net/ticket/ushio2023
【お問い合わせ】
メール: ushio.stage@gmail.com